ギターエッセイ

                             
                    いつでも基本に立ち返る

                                 第二回

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 基本通りが容易ではないということで、

ギターを振り返ってみると、

ギターも演奏が早くなったり、

左手を動かす距離が長く複雑になれば、

それを目で追っていくうちに前かがみになり、

姿勢が崩れてしまうこともあるだろう。


 しかし、正しい理論、理屈を知り、

頭で理解しておくことは間違いなく必要なことである。

なぜなら、それを知っていれば、

そうした理解した意識を働かせて取り組むことができるからだ、

理解しているという意識を働かせれば、

その状態に近づいていくことができる。

しかし、意識をしなければいくら時間を費やしても、

その状態には到達しないだろう。


 この点で野村先生から、

正しい基本、形を教えてもらっていることは、

非常にありがたいことである。

テニスもギターもそうだが、

自分の癖や外部からの様々な情報により、

いつの間にか本来の基本からずれていくことがある。

そうしたとき正しい基本を知っていれば、

そこにまた戻ることができる。

しかし、正しい基本を知らなければ、

再びそこに戻ることはできない。

また間違って基本を理解していれば、

その都度間違った基本に戻ることになり、

やがて本来の形から外れたいわば自己流になってしまうだろう。


 鉄は熱いうちに打てという言葉があるが、

基本からずれた自己流に形作られてしまう前に矯正しなければ、

もはやそれ以上伸びることはできず、

その形に留まってしまうだろう。

実際これまで多くの方とテニスをする機会があり、

中には何十年としている方もいたが、

基本ができていないもしくは正しい基本を知らないために、

それ以上の高みにいけない人を見てきた。

本来一番始めにおさえていくべきところを確実に踏まず、

あやふやなまま次の二歩三歩と進む怖さと、

慎重に進んでいくことの重要さを考えさせられる。


 
 このように2011年を振り返ったが、

今年もまた、姿勢、テンポ、という基本的なことの大切さや、

難しさを知ることとなった。

しかし、基本を見直すことは決して恥ずかしいことではない。

むしろ本当に謙虚になって、

自分の今の姿、状態を見つめ知るならば、

その必要性を認めざるおえなくなる。

 そしてギターに限らず、

仕事や他のあらゆる面において、

この点を思いにとめる必要があると言える。

基本に戻ることはじれったく、もどかしく感じる時もある。

それでも確実な前進には、

三歩進んで二歩下がる、

そんな基本の繰り返しが、

たとえゆっくりでも自分を成長へと導くはずだ。

そう考えこれからも曲の難易度や、

何年ギターをしてきたかということにとらわれずに、

いつも基本に立ち返る姿勢を忘れないようにしたいと思う。=終わり=

  

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