◇ギターエッセイ◇
いつでも基本に立ち返る
〜第二回〜
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基本通りが容易ではないということで、
ギターを振り返ってみると、
ギターも演奏が早くなったり、
左手を動かす距離が長く複雑になれば、
それを目で追っていくうちに前かがみになり、
姿勢が崩れてしまうこともあるだろう。
しかし、正しい理論、理屈を知り、
頭で理解しておくことは間違いなく必要なことである。
なぜなら、それを知っていれば、
そうした理解した意識を働かせて取り組むことができるからだ、
理解しているという意識を働かせれば、
その状態に近づいていくことができる。
しかし、意識をしなければいくら時間を費やしても、
その状態には到達しないだろう。
この点で野村先生から、
正しい基本、形を教えてもらっていることは、
非常にありがたいことである。
テニスもギターもそうだが、
自分の癖や外部からの様々な情報により、
いつの間にか本来の基本からずれていくことがある。
そうしたとき正しい基本を知っていれば、
そこにまた戻ることができる。
しかし、正しい基本を知らなければ、
再びそこに戻ることはできない。
また間違って基本を理解していれば、
その都度間違った基本に戻ることになり、
やがて本来の形から外れたいわば自己流になってしまうだろう。
鉄は熱いうちに打てという言葉があるが、
基本からずれた自己流に形作られてしまう前に矯正しなければ、
もはやそれ以上伸びることはできず、
その形に留まってしまうだろう。
実際これまで多くの方とテニスをする機会があり、
中には何十年としている方もいたが、
基本ができていないもしくは正しい基本を知らないために、
それ以上の高みにいけない人を見てきた。
本来一番始めにおさえていくべきところを確実に踏まず、
あやふやなまま次の二歩三歩と進む怖さと、
慎重に進んでいくことの重要さを考えさせられる。
このように2011年を振り返ったが、
今年もまた、姿勢、テンポ、という基本的なことの大切さや、
難しさを知ることとなった。
しかし、基本を見直すことは決して恥ずかしいことではない。
むしろ本当に謙虚になって、
自分の今の姿、状態を見つめ知るならば、
その必要性を認めざるおえなくなる。
そしてギターに限らず、
仕事や他のあらゆる面において、
この点を思いにとめる必要があると言える。
基本に戻ることはじれったく、もどかしく感じる時もある。
それでも確実な前進には、
三歩進んで二歩下がる、
そんな基本の繰り返しが、
たとえゆっくりでも自分を成長へと導くはずだ。
そう考えこれからも曲の難易度や、
何年ギターをしてきたかということにとらわれずに、
いつも基本に立ち返る姿勢を忘れないようにしたいと思う。=終わり=
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