ギターエッセイ

                             
                    いつでも基本に立ち返る

                                 第一回

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 今年も2011年の冬のクリスマス会発表会が終わり、

ギターにおける一年が終わった。

今年の私の課題曲は、

F・カルリ作曲の「ディベルティメント」に始まり、

「ミ・ファボリータ」までの四曲を習った。

発表会を終え先生からは、

曲が弾けないという以上に、

テンポと姿勢の大切さを強調された。

私の場合、元来猫背で姿勢が前かがみになる傾向があり、

そこを直さないと結果は、

今後も今と同じような結果になるとズバリ指摘された。

 体の姿勢が保たれ、

上半身、特に肩の力が抜けることにより、

ゆったりとした空間が体の前に作られ、

それにより腕から指にかけての運動性が格段に良くなる、

という先生の言葉を聞き、

以前、テニスで教わったコーチの言葉を思い出した。


 私はギターを始めて4年になるが、

その前の4年間はテニスを趣味にしていた。

その時に一人のコーチから、

「スウィングは腕でラケットを振りに行くのではなく、

ラケットが振られる、

要するに、もっと受け身の動作である」

ということを説明された。

 体のという軸がしっかり固定され、

姿勢が保たれることにより、

末端の腕そしてラケットが振りだされる。

つまり自分の力で振り出すのではなくて、

結果として反動で腕が振り出されるという理論だ。

 さらに言えばボールを前に飛ばすには、

前に向かう力と、その前に向かおうとする身体をとどめる真逆の力、

要するにその両方の力が必要だということだ。

注意を向けるべきは身体の中心部なのだ。

 確かにこうすることにより、

自分の腕力に頼ったスウィングよりも、

ボールには、より強力なドライブ回転がかかり、

落下してからさらに加速して伸びる球質となった。


 テニスとギターという全く違う分野ではあるが、

先生に指摘を通していくつかの共通するものがあることに気付かされた。

きっとこれは他の様々な分野にも共通するものかもしれない。

ただこうしたことを知っているからと言っても、

必ずしもその理論通りにできるわけでもない。

 実際テニスにおいては、

止まっているボールを打つわけではなく、

高いボール、低いボール、

また前後左右に動いて打つわけで、

いつも正しい姿勢を維持するのは容易なことではない。

なかなか基本通りというのは容易ではないことがわかる。

では、どうするのか・・・。=つづく=



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