That エッセイ once again

                              


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                当教室に在籍して早18年。
                  アンサンブルにも参加して元気にギター弾いている。
                   マダムにギターを始めたころの思い出を、
                    以前語っていただきました。
                      今回再び掲載したいと思います
                         大陸育ちのお話は興味が尽きない。
                          もう一度詳しくお話していただき、
                            加筆しながら紹介したいと思います。
                              かなり貴重なお話であり、
                              歴史の証言の意味合いもあります。


      
=ギターを弾こう(十四)=
 
 
そろばんのできない二人の女子社員で始まった新しい部署も、

徐々に軌道には乗ってきましたたが、

なんといってもものすごい数の取引先の数です。

電子計算機でキーを打って計算さんれる間に、

そろばんではあっという間に終わってしまいます。

当初はまだまだそろばんのほうが早かったのです。

10年その部署で勤めましたが、

だんだん機械が人力に勝るようになっていきましたね。

わたしの部屋もだんだん若い子が増えてきて、

一番の古株の私が教え係です。

IBMの人を頼むと経費が掛かるので節約したんですね。

 勤めて半年くらいたって、

仕事にも慣れてきたのでなにかやりたいなと思っていたところに、

労音の会報にギターの講座開設の広告が出てました。

その記事は小さく目立つものではありませんでした。

しかし、強く心惹かれて「おっ!これいいね」と、

会社の友人に習いにいかないと誘いました。

まずギターがないとどうにもならないのでギターを買いに行きました。

第一回目に書いたところに繋がるわけです。

さて、いよいよギターを持って講座の開かれる会場へと向かいました。

 それにしてもギターを持って会社に来ることは至難の業でした。

朝のラッシュは今と同様ものすごく、

空身で乗り込むのも大変です。

そのものすごいラッシュの電車の中に、

ギターを持って乗り込もうというわけです。

ドアの隅がねらい目なのですが、

ドアが開くと一気に押し込まれてしまいました。

ギターは黒いビニールの袋に入れてます。

ハードケースを買いたかったのですが、

これがまたギターと同じくらいの定価なんですね。

仕方なく予算に合わせてケースとも言えないような、

ビニールの袋を買ったわけです。

 電車の網棚に乗せるということもあるのですが、

背の低い私は一度乗せてしまったら、

もう網棚から降ろすということができなくなります。

仕方ないので。もう両腕でがっちり抱きかかえて、

蹴とばされないように細心の注意を払いました。

蹴とばされればビニール一枚で、

ほとんどギターそのものを持っているようなものなので、

いきなり穴が開いてしまうでしょう。

まだ習ってもいないうちにギターが破壊されてしまうのは、

どうにも辛いところです。

 ギター習いに行く朝は、

槍をもって突撃する兵隊さんのような覚悟です。

今、弾いてるギターのハードケースは、

このころから比べるとほんと安いですね。
=つづく=



    
バリバリ働いてた頃です。


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