オニクマさんの
   
スペイン旅日記


          



   エル・グレコとゴヤ

 スペイン到着!

フランス経由で約15時間。 マドリードのホテルに午後8時に着いて

翌朝9時にはトレド観光に出かけた。

今回夫と私は「スペインの原風景を訪ねる」
8日間の旅に参加している。

「スペインに一日しか居られないならトレドに行け」

そんな格言があるほど、中世のスペイン王国トレドは その当時の面影を残して

私達を歴史の中に誘ってくれる。

                          

 ところで、「旅行するのでレッスンは休みます」・・・の言葉から、

いつの間にかスペイン記を書くことになってしまったが、

先生のイタリア記に追随したスペイン記は不本意なので、

今回の旅行で私が興味を持ったことを書くことにする。


 話を戻して、世界遺産の古都トレドは、

16世紀の宗教画家エル・グレコが過ごした街でもある。

その為エル・グレコ美術館をはじめ、

大聖堂やサントトメ教会など多くの場所で彼の絵が光を放っていた。


 初めてエル・グレコの絵に出合ったのは学生時代で、もう数十年も前である。

これも初めての経験で、

友人三人と学割周遊券を使って岡山の倉敷美術館に旅行した時のことだ。

当時は確か、入場してすぐの場所に「受胎告知」が飾られていて、

その紫がかった光を浴びた赤色に目を奪われた。

今回も同様多くの作品に赤色が目に付く。

          


 中世の世界観を堪能した後は、バスで1時間、

マドリードに戻ってプラド美術館を訪れる。

ここは多くの名画が集まる世界屈指の美術館だ。


中でも私は ゴヤの「裸のマハ」「着衣のマハ」に再会した時、

マハの意味ありげな表情と長い間対面していた。

というのも、これも学生時代だが 

日本で大々的にゴヤ展が開催されていたことがあって、

大混雑の中、黒山の人の頭越しに覗いて観たことがあった。


 余談になるが、当時は宗教画以外の裸婦画は禁止されており、

ゴヤの裸婦も着衣のマハの裏に張り付けられていた話は有名である。

ギターと同様に六十の手習いで油絵を描いているが、

自分の好きな絵や色は、
自ずと心に残るものだ。

ちなみに、授業で裸婦を描くことがあるが、講師いわく、

裸より着衣の方がずっと難しいとのこと。

 明日はコルドバに向かう。=つづく=


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