宮尾さんの

      ジャムって語ろう、ジャズ




                    
                       宮尾聖晴氏







―チャーリー・マリアーノとの思い出−



自主企画のジャズコンサートの思い出は大学三年のときのことです。

秋にやる恒例の学園祭では、

例年同じ大学のジャズバンドを主体に開催していましたが、

その年はすこし豪華なコンサートをやろう、

一流プロジャズメンを呼ぼうということになりました。

そこで目をつけたのが、

あの超有名なピアニスト、秋吉敏子さんです。

秋吉さんはその頃からすでに米国で活躍、

チャーリー・マリアーノという

スペイン系のアメリカ人でウエストコース派の

人気アルトサックスプレーヤーと結婚され

(子供は今マンデー満さんといって歌手で活躍中)、

よく二人のクインテットで来日コンサートを開いていましたので

マリアーノも日本でも相当人気がありました。

運良く私が大学三年当時は秋吉夫妻が一時的に日本に長期滞在していたのです。

そこで同じクラブの友人と二人で

まさに飛び込みで経堂のアパートにご夫妻をたずね、出演交渉をしました。

残念ながら秋吉さんはスケジュールびっしりで無理でしたが

マリアーノ氏は心よく引き受けてくれました。

問題はギャラです。

なにせ学生の貧乏なクラブでしたからそんなに払えません。

つたない英語で正直あまりだせませんと恐る恐る言うと、

何とりんご一個でいいよといってくれました。

おもわず驚いて
I beg your pardenといったほどです

(後々あのりんごの意味はほかにあったのではと
OB会で話しをするのですが)。

チャーリー・マリアーノを迎えてバンドのほうも大張り切り、

観客超満員で大成功でした。

あとで文字どうりりんごとお礼を少々もっていきましたが、

お二人の人柄の良さとご好意は今での忘れられません。






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