宮尾さんの

      ジャムって語ろう、ジャズ




                  






−病い高じてジャズ愛好会へ−



 大学にはいってからはますます病こうじて、

ジャズなくしてはいられない状態となります。

運良くジャズ愛好会というクラブがあったので、

ためらうことなく入部しました。

当クラブの会長は当時大学の医学部の教授もしていた

牧田義夫さんという有名なジャズ評論家(ペンネーム牧よしお)で、

さらには、驚いたことに前出の油井正一さんが

当大学の講師でかつ当クラブの顧問をされていたことです。

そういった雲の上の人達とジャズを語ることができたのは本当に得がたい経験でした。

当クラブには演奏するグループと鑑賞するグループがありましたが

(といっても両方やってる連中もかなりいました。

その時なぜ楽器をやらなかったのか今になって後悔してますが)、

私は楽器の経験がないので後者のほうにいれてもらったわけです。

世の中には同じようなジャズ好きの連中が沢山いるものだなあと

妙に感心させられましたし、

また先輩には相当オタッキーな人がいてあらためてジャズ好きにも

上には上がいることもわかり新たな刺激を受けたました。 

 

クラブの活動は評論家をかこんでのジャズの鑑賞会が定番ですが、

それ以外に自分たちで企画したコンサートの開催

さらには学園祭でのジャズ喫茶の出店などです。

評論家は前出のお二人のほかは、いその・てるお氏、

別の大学出身の大橋巨泉氏などをまねいて行いました。

大橋巨泉氏はJAZZ VOCALの良さと重要性を盛んに強調されていましたが、

その当時インスト物を中心に聞いていた小生にはあまりピンときませんでした。

しかしかなり後になってJAZZを本当に楽しむには

スタンダードナンバーを沢山知る必要があるということがわかり、

氏の言っていた意味がやっと理解できた次第です。

牧田先生はときどきブラインドホールドテストというのをやってくれました。

彼がもってきたレコードを聞かせ曲名とプレイヤーをあてた人には

カツどんをおごってくれるという遊びです。自慢話になりますが、

小生は打率ナンバーワンで、

先生も若いくせによく知ってやがると苦笑しながらもよくおごってくれました。

そんなことで名前を覚えられお宅にもおじゃましたりで、

すっかりかわいがってもらいました。

 

おいしいアルバイトもありました。

NHKJAZZレコードのディスコグラフィーを作成する仕事です。

ただ指定されたノートにレコードの裏面に記された曲名、プレーヤーの名前、

演奏楽器などの主要項目を整理して書いていくだけの単純作業ですが、

休憩時間には適当に好きなレコードを聞いて良いことになっていましたし、

まだ頭脳がやわらかかったせいかレコード名、収録曲、作曲家、

プレーヤーなどのデータベースが頭にどんどん入ってくるので実に楽しいバイトでした。

これが役立ったのは当時ジャズ喫茶でやっていた

前出のブラインドホールドテストタイムです。

ある時間がくると喫茶店側で、テストの遊びをおこないます。

大抵は曲名とプレーヤーを同時に当てた人はコーヒー代をただにするという企画です。

私は、そのテストが行われる少し前に入り、

ほとんど当ててコーヒー代を浮かせてしまいましたので、

渋谷の某喫茶ではブラックリストにのるほどでした。






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