宮尾さんの
ジャムって語ろう、ジャズ
〜授業そっちのけでジャズ喫茶めぐり〜
その後、ラジオのジャズ番組はすべて聴きこみ、
ビーバップからハードバップ、ウエストコースト、
モードジャズなどいわゆるモダンジャズのとりこになってゆきます。
すなわち黒人ハードバップ系ではソニー・ロリンズ、
マイルス・デビス、クリフォード・ブラウン、ウイントン・ケリー、
セロニアス・モンク、アート・ブレイキー、MJQなど、
白人ウエストコース系ではチェトベーカー、アート・ペッパー、
スタンゲッツといったところがお気に入りで、
彼らのほとばしるようなエネルギッシュなアドリブに完全に陶酔してしまいました。
そうなるともっとジャズのことが知りたくなるのが人情というものです。
油井正一さんという有名な評論家が書いたジャズの歴史という本に出会い熟読、
またジャズの専門誌スイングジャーナル誌なので紹介された名盤レコードを全部聴いてやろうと決意、
歴史をさかのぼってニューオリンズ、デキシー、スウイング、中間派、
すべてにわたりジャズの奥深さにどんどんはまっていきました。
因みに油井さんの本はいまでも小生のジャズのバイブルです。
ただ当時はレコード代が高かったのと、
なかなかほしいレコードが日本では手に入らない時代でしたので、
愛好家はひまさえあればジャズ喫茶でレコードをリクエストして聴くといったことが一般的でした。
小生も例外でなく渋谷、恵比寿、新宿などの主要ジャズ喫茶を学校帰りに入りびったって、
ジャズ漬けの毎日を過ごしました。
ただどうしてもコレクションしたいレコードはなけなしのこずかいやアルバイト代、
さらには最終の手段として一時は宝物にしていたエルビスのSPシングル盤などを売りさばき、
(今から考えるとおしい!)ジャズのレコードを買う資金にしました。
当時は相当高かったテナーサックスの巨人ソニーロリンズの名盤、
サキソフォンコラサスの輸入盤を手にいれたときには本当に涙がでたほどです。