=教室春秋(四)=

 中学生の女の子二人が入会してきて、

とりあえずレッスンは始まりました。

なんだか慣れないレッスンではありましたが、

生徒の出入りがあるということで、

教室の体裁は整った感じですね。

一人の女の子が楽器を買いたいというので、

まあ、とにかく楽器を買って自分の楽器と二台を抱えて、

電車に乗りスタコラという感じで教室に運んだんですね。

女の子いわくあとからお母さんが楽器を取りに来るということで、

お母さんの登場を待ってたわけですが、

なかなか来なくて大丈夫かなと思っていたところ、

外付けの階段を揺らしながら登場です。

楽器を運ぶということで空のケースを持ってきたんですね。

それはいいのですが、

ケース二つと楽器ということで結構な荷物になります。

この当時それなりの楽器にはケースがついてきたんですね。

ケース二つにギターという持ち物になるので、

思わず「大丈夫ですか?」と、念押ししましたよ。

まあ、鼻息もも荒く一つのケースにギターを入れて、

もう一つの空のケースを脇に抱え、

「ありがとうございました」の一言を残して、

来た外付けの階段を、

来た時よりも迫力のある音を残して、

二階を揺らしながら降りていきました。

20歳を過ぎて間もなくのことだったので、

なんとなく呆然として、

このくらいの年齢の子のお母さんの迫力を、

身をもって体験した初めてのことでした・・・。

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