二子山登山始末記





=第七回=

山頂登頂組に参加はしたが、

この山日帰りの山にしては結構岩がゴロゴロのところがあり、

以外にアルペン的雰囲気を持った山だ。

低山特有の木に囲まれた登山道をもはずれに来ると、

岩場が現れる。

けっこう大変そうだなぁ・・・と眺めていると、

一人のおばさんが自分はここで待ってると言い出した。

若干おじけづいたかな・・・。

リーダーが元の地点に戻りますかと聞くと、

皆が頂上に行って帰ってくるのを待っているという。

さすがにこれから行って帰ってくるのに、

どのくらい時間がかかるかわからない。

「ここでじっと待ってるのも大変じゃないですか」と聞くと、

これだけの岩場を登っていくのはちょっと自信がないという。

岩を抱きかかえるようにトラバースするところで一人の脱落が確認された。

確かに一歩間違えるとあっという間に転落してしまいそうだ。

とにかくここで待つというので、

リーダーに「とにかく出発しましょう」と促がした。

ちょっと心配ではあるがこの先の岩場を考えると、

無理強いして連れていくわけにもいかない。

とにかく前進し始めるが後ろを振り返ると、

おば様一人が佇んでいた。

一番問題になりそうな岩場に到着。

しっかりとホールドしてスタンスを確認しながら、

1.5メートルくらいを下る。

しっかり立てるところでホッと一息つく。



秩父にもこんな険しい山があるんだと、

なんだか変に感心してしまう。

落ちたら終わりという感じの岩場を超えないと頂上まで行きつかなさそう。

おばさんたちもいきなり無口になって黙々と岩場を登っていく。

経験はかなりありそうでしっかりと三点支持をして登っていく。

鎖場もあるが鎖にはあまり頼らないほうがいいと前のおばさんに声をかける。

バランスを崩してかえって危ない。



この岩場の終わりのところに頂上があるということか・・・。

なんだかまだまだ遠いという気がしてくる。

おば様方それでも足色は達者という感じ・・・。

さすがだなぁ・・・となんだか感心する。
=つづく=



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