譜面台の陰から






                         >練習曲を弾こう<
  






 練習曲と聞くとつい敬遠したくなる。
まあ、あまり積極的に弾いてる人は少ないかもしれない。
特に時間に制約があると、
練習曲集を開くことはまずない。

練習曲はなぜ敬遠されがちなのだろうか・・・。
よく聞く話として、
まずメロディーが単純であること、
まったく聞いたこともないメロディーであること、
音符を一つ一つ読むことから始まり、
なかなか曲として全体像が見えにくいこと、
良い曲かつまらない曲かの判断が難しい、
だいたいそれほど魅力的とは言えない雰囲気だということ・・・。

ほかにもいろいろあると思うがこういう感じを受けると、
なかなか継続して練習することが難しい・・・。
特に大人の耳になるといろいろな曲を聴いているわけで、
好みでの良しあしがはっきりしている。
そういう中で練習曲の類がいいと聞ける人は、
抵抗なく練習できるということになる。
しかし、これはかなりの少数派だろう・・・。


今回のタイトルに戻るが、
なぜ練習曲を弾こうと薦めているのか、

ギターに限らず楽器というのは、
ダイレクトに音が耳に飛び込んできて消化されやすい。
非常に言葉の要らないものだと思う。
そこがまた非常に難しくする原因の一つとなるわけだが、
実際に楽器を持ってみるかでは、
その難しさというのは、なかなか分かるものではない。
遊び感覚でできると錯覚する原因の一つだ。

しかし、実際それなりに聞かせられるようにするには、
なかなかこれがまた難しい・・・。
見た目以上に時間がかかるものだ。

では、この難しい楽器の習得に対して、
なぜ練習曲が有効になるのだろうか・・・。

まず練習曲がつまらないものだと感じることを、
逆に考えていくとかなり分かることがある。


>メロディーが単純でつまらない・・・。<
いろいろな幅広いメロディーに強くなる。
要するに偏らずに音楽を聴くことができるようになるということだ。
大人の耳というのは、生まれてからの時間経過が長い分だけ、
大体は偏っているものだ。
それが平均化されるということだ。
これは音楽を楽しむという領域の範囲を広げることになる。
自分の音楽の世界を広げることができるということだ。


聞いたことがないメロディーを、
音符からつなげてメロディーに仕上げることで、
音符を読む力は相当に上がると思う。
音符はやはり一つ一つ読むことで強くなるわけだから、
メロディーから入るのではなくて、
音符から入っていくというのは、
相当な読譜力アップにつながるわけだ。
そうはいってもこれがまたなかなか・・・、
まためんどくさがって避けようとする人が多い・・・。
時間に追われていると当然のことなわけだが・・・。


音符を一つ一つ読むことは時間がかかる。
しかもそれをメロディーにするのはさらに時間がかかる。
忙しい現代には合わないのではないか・・・。
確かにそれは一理あるかもしれない・・・。
しかし、練習曲をだれも急いで作り上げることを、
要求しているわけでもない、
自分のペースで十分なのだ・・・。

一番問題なのはメロディー自体が、
現代人の耳に合わないのではないかということがある。
しかし、特に練習曲を人前で演奏する必要はなく、
これはあくまで上達のステップだと割り切るべきだろう。
練習曲だけですべてが終わるわけではない。


練習曲は音楽全体、また楽譜の勉強の意味が強い。
音楽はリズム、テンポ、音色が重要だといわれている。
それらをすべて学べるのが練習曲だ。
楽器を始めた人だけが弾くのではなくて、
たとえ上級者であっても振り返って練習してみると、
また新たに得ることが多いと思う。
難しい練習曲を練習する必要はなく、
簡単な練習曲で十分だ。
簡単な練習曲であれば、
余裕を持って音楽を考えていけるということだ。

初級の三ステップを終えた人であれば、
終了した三ステップ分の練習曲が残っていると思う。
これを飽きずに継続して練習していけば十分だ。
練習してきたことの反復は極めていい結果を生むと思う。

それ以上のレベルの人であれば、
すぐに弾ける練習曲はかなりあると思う。
そういう練習曲を弾いていけばいいと思う。
それなりに初見力もアップさせる効果がある。


ギター弾く時の爪、タッチ、左手の形、姿勢・・・。
あらゆるチェックが可能だ。
難度の高い曲になればそんな余裕もなくなるわけだから、
練習曲というのはあらゆるチェックにも極めて便利といえる。


曲として仕上げるのを急ぐ必要はないわけだから、
レッスンの時に一曲弾いてからレッスンを始めてもいいわけだ。
簡単な練習曲で十分なわけだから・・・。

練習曲の練習していくということは、
長い目で見ていくとかなり効能大といえる。





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