ギターエッセイ

                        


                   





        ☆<神奈川ギターフェスティバルへ=(2)>☆






 
 昼食をとってから5時までは、

控え室で自主練習をしました。

 待ち時間が長かったので、

今後の対策を練ることにしました。

 ステージの上では、思いもよらない出来事(事件)が起こるものです。

私は昔ピアノの発表会で、

1オクターブ高い音から弾き始めてしまったことがあります。

歌の伴奏をしていたとき、

ページをめくろうとしたら勢い余って

楽譜を全部ピアノの下に落としてしまうというアクシデントもありました。

今回も絶対何かが起こる!!という前提で、

自分の守るべき約束を2つ決めました。

「何があっても止まらない」と

「譜めくりはていねいに」です。

 
 出番がきて10年ぶりにステージに上がったとき、

ライトで正面(客席)がよく見えなかったため、

思ったより緊張しませんでした。

あいさつをして、ギターを構え、

いつものようにITOさんの合図で曲が始まりました。

 出だしは完璧にそろっていたと思います。

ところが、その先のAllegroの部分はリハーサルのとき以上に何も聞こえず...!!

周りと合っているのかどうかも全然わかりません。

頭の中で「1,2,3,4...」と数えながら、

いつもの感覚と楽譜だけを頼りに先に進みました。

本当に独奏で弾いている気分でした。

一人だけずれていたらどうしよう、

と思いつつも一応指は動いてくれました。

自信がなかった分、

普段ほど大きな音を出せなかったかもしれません。

なんとか最後まで弾ききりましたが、

「客席にはちゃんとそろって聞こえていたのか」よくわからず、

終わって喜ぶべきか迷いました。

後で聞いてみると、

他のメンバーの人たちも同じことを思っていたそうです。


 これだけの大曲に挑んだ今回のヴぇルデの演奏の中に入って、

恐ろしくも貴重な体験を通して、

本当のメンバーの仲間入りができたように思います。

次回のフェスティバルの時は、

もう少し冷静に弾きたいものだというのが、

終わった後に最初に感想としてできた気持ちでした。

では、次回二回目のフェスティバルを目指してがんばります。




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