私の演奏がそこまで表現できていたかどうかは分かりません。
人によっては全く別の捕らえ方で聴いてくださった方もいらしたかもしれませんね。
でもそれはそれ。別のイメージを持ったからと言ってそれが間違いとはいえません。
あくまでもそれは聴く人の感性の問題なのです。
音楽という芸術はとても抽象的です。目の前に形として表す事ができません。
それだけに表現する事がとても難しいのです。
ですから同じ曲を何人かで演奏したら、全員が違った演奏をするという事が起こるのです。
それは弾き手がそれぞれ違った感性を持っているからです。
しかもそれは一度や二度演奏したくらいでは、なかなかつかむ事はできません。
何度も弾いてみて、それでやっとイメージが確立できるのです。
それには普段から音楽を聴いたり、絵を見たり、
音楽の周辺にある芸術文化や歴史にも触れることが大切です。
それもほんの少しでいいのです。
例えば、何か音楽を聴いたらこんな絵が思い浮かんできた、
となればそれがその人のその曲に対するイメージなんです。
ちょっとした事でも積み重なると、それがその人の大事な宝物になるのです。
音楽とはそれほど奥が深い物なのですね。
※作曲者のメルツについては詳しい資料が手元にありませんでしたので、
今回は触れずにおきました。