エッセイ







     ♪♪♪♪♪私の楽器物語り(6)♪♪♪♪♪

 




 
購入したハウザーはその音の性質のせいか、

スペインや南米の曲(アルベニス、グラナドス、トローバ、

ラウロ、ヴィラ
=ロボスetc)というよりも、

バロックや古典派のようなカッチリした純粋なクラシック音楽

(ミラン、ダウランド、バッハ、ソル、ジュリアーニ
etc)向きの音という感じがします。

 もちろん、スペイン音楽を弾いていけないわけではありませんが、

ハウザーという楽器の音質を考えると、

民族色の濃い音楽では何となくピントがずれているような感じがするのです。

 でも当時の私はちょうど「スペイン・ギター・コンクール」に挑戦していて、

このコンクールは課題曲、自由曲共に、

スペインの作曲家の曲を演奏するという既定があったため、

スペイン音楽を一生懸命練習していました。

 ただし、スペイン音楽といっても民族色が濃い曲ばかりではなく、

もちろんソルもスペイン古典派の作曲家ですから、

ソルの曲が課題曲になった時は、

「やっぱりこういう音楽がハウザーにはピッタリだな」と思いながら練習していました。

 

 新しい楽器を購入するとギター仲間が必ず「見せてくれ」と寄ってきます。

特に今回はハウザーV世を購入したとあって、

仲間内ではちょっとした「話題の人」と言う感じになりました。

女の子でそこまでする人がほとんどいなかったと言う事もあるでしょう。

周りは感心するやら呆れるやら…。

私は私で「大して弾けもしないのにこんなにいい楽器を買って…、

なんて思われていないかなぁ」と少し弱気になる事もありましたが、

「これから練習して弾けるようになっていけばいいんじゃないっ!!」

「買ったモン勝ちよ!!」と開き直ってもみたりして…。

ナーバスになってしまって、心中はやや複雑ではありました。

 

ハウザーを購入してからしばらくは、

コンクール参加の他、某銀行のギター部のコンサートで演奏したり、

ピアノ教師をしている友達の発表会に呼ばれたりと、

活動の場は広がっていきました。

高校時代の仲間と結成したギター・アンサンブルのコンサートで、

独奏を弾くようになったのもこの頃です。

思えばこの頃から演奏活動に貪欲になっていったような気がします。

演奏の話があればほとんど二つ返事で引き受けていて、

時には先生に「そんなに引き受けて大丈夫なのかなあ・・・・?」

と心配される事さえありました。

でも、これが結果的に場数を踏む事になり、

いい勉強の場になった事は言うまでもありません!。

当時の貪欲さがなかったら今の私はありえなかったでしょう

(ちょっと大袈裟?・・・・ですかね
(*^^*))。

 

演奏の機会は増えるものの肝心の楽器の音の方は…、

なかなか思うようにはいきません。

たまに木曜日に休暇を取って楽器を持って

集中的にレッスンを受けに行くのですが、

先生の前で弾いてみると、

「う〜ん…、なかなか
(音が)出ないねぇ…」

「もうそろそろ出て来てもいい頃なんだけどねぇ…」と、

なにやら渋〜い顔をされてしまいます。

その後、わたくしは熱演してるのですが、

先生は居眠りを始めるのです(
カッ<`〜´>!!

ハウザーを購入して34年経ってしたでしょうか。

確かにもうそろそろという気にもなって来るんでしょうね。

「やっぱり無理だったかなぁ…」。

でもこのままで終らせてしまうのは何とも悔しい!!

何とかして音を出せるようにしなければ…!!!

正に「楽器の音を出す」という「大きな壁」にぶつかっていた頃です。








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