My life in guitar music



                
                   
長井 浩氏





  

   【第6章 私の楽器遍歴〜つづき六〜】





C番外編(アリアのリュート)



 今回はギターではないが特別編としてリュートの話をさせていただきたい。

単に所有していた楽器にとどまらず、

リュート音楽全般に対する思いを熱く語るのでよろしくお願いしたい。


 ブリーム先生の
19796月の来日のときに始めてリュートを生で聴いた。

売り物のリュートを始めて目にしたのは、

神戸元町の商店街の楽器屋のショーケースの中だった。

ご承知の通り、リュートは見た目も音も非常に美しい楽器である。

プロジェクトX調で書くと、「目を奪われた、、、、、、欲しいと思った、、、、、

、、、、、気が付くと購入していた。」ということになるが、

実際は少しだけ迷ってからバイトで金を貯めて、

8万円くらいのルネサンスリュート(8コース)を購入した。

買ったのも神戸ではなく心斎橋のヤマハだった。


 
もともと小器用なたちなので、

なんとなく演奏できるようになるのにそれほど時間はかからなかったし、

タブ譜もなんとか読めるようになった。

(まあタブ譜の方が楽譜より易しいからこそタブ譜というものが存在するのであって、

楽譜は読めるがタブ譜が読めないというのは理論上ありえないのであるが。)

今でも出版されているかどうか知らないが、

Faber Musicというところからジョン・ダウランドのリュート曲全集

(当時でも約6000円)が出版されており、

それを大阪駅前第二ビルの
2階にあったササヤという楽譜屋で購入した。

ササヤはクラシック専門の楽譜屋で店舗面積は狭いが、

ギター関係の楽譜も充実しており頻繁に利用した。

さすがにギター関係の楽譜に限ると目白のギタルラ社等に劣るが、

注文したものは確実に取り寄せてくれたので、

ちょっとマニアックな楽譜はすべてここで購入した。


 さて、購入したアリアのリュートはルネサンスの8コースタイプだったので、

ダウランドの時代までの曲ならドイツ物でもイタリア物でも弾けたが、

ルネサンス期でも後期のリュート曲は
10コース必要なので、

そういったものは演奏できなかった。

 ダウランドの曲集はリュート曲が全曲収録されていたので、

主にそこに掲載されている曲を演奏したり、

ギターのための曲集からリュート用のものを選んで演奏した。

この曲集は上段に楽譜が二段譜で記載されており、

その下にアルファベット式のタブラチュアが印刷されていた。

楽譜はリュートの音程で記載されていたため一弦の開放がGの音であり、

ギターより短3度高くなっているので、ギターの楽譜のようには演奏できず、

必然的にタブ譜で練習することになった。





若かりし頃へのリンク 社内報に載ったときの写真あり





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