My life in guitar music



                
                   
長井 浩氏





  

   【第6章 私の楽器遍歴〜つづきU〜】





A YAIRI のギター




 就職してからちょうど3年目に一年間アメリカで生活したが、

会社の規定で荷物の重量制限があり、

上述
GC15Mはアメリカには送らなかった。

英語習得を目的とした渡米だったし、

就職して上京してからはちょっとギターとは疎遠になっていたので、

まあ1年くらいは弾かなくてもいいか、

との安易な考えで渡米した。

この考えが誤りであるのは渡米後数ヶ月で明らかになった。

ちょっと余裕が出てくるとやはり手が寂しいし、

基本的に異国での一人暮らしなのでこういう環境こそ、

まさにクラシックギターにふさわしいものなのである。

また言語のハンディを一切感じずに自己表現できるため、

パーティー等でわけのわからぬ会話に参加するより、

ギターを弾いたほうが存在感が出るのではないか、

との野心もあり、結局、安いのを一本調達することにした。

 ニュージャジー州リッジウッドという町の楽器屋で購入したのがYAIRIのギターで、

この店にはまともなクラシックギターはこのブランドしか置いていなかった。

マンハッタンまでは小一時間で出ることができたが、

もともと10万円以上する楽器を買うつもりもなかったし、

少し弾いてみたところ値段と音の関係も妥当なので早速この楽器を購入した。

確か700ドルくらい(当時の為替レートは1ドル200円近かった)だったと思う。

 この楽器は杉の楽器で最初からよく鳴った、

というか遠達性は不明だが、

演奏者の耳にはよく鳴っているように聞こえる楽器であった。

自宅で演奏する他、

ちょっとしたホームパーティー、

会社のクリスマスパーティー等で演奏する機会にも恵まれたので、

買って正解だったと思う。

 楽器の話ではないがニューヨークには、

FaberMusicという有名な楽譜の出版社があり、

クラシックギター関係の楽譜も充実していたので、

よく楽譜漁りにでかけた。

さすがに日本のギタルラ社のような専門店ではないので、

ギターに限定すれば在庫数では負けるが、

価格的には日本で買うよりかなり廉価で購入することができた。

現在でもこの楽器は大阪の実家に置いてあり、

帰省時の暇つぶしに演奏することにしている。

コンサート目的での使用はちょっと苦しいが、

練習用にはちょうど良い一台である。〜
(つづく)〜




若かりし頃へのリンク 社内報に載ったときの写真あり






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