My life in guitar music
長井 浩氏
【第6章 私の楽器遍歴】
@ YAMAHA GC15M
本稿において初回に白いギターの話を書いたが、
その後いとこの家からかっぱらって来た茶色いギターや、
高校入学祝いに買ってもらった純粋フォークギター、
(2万円弱)まではすでに述べた。
高校時代は茶色いギターで通したが、
大学入学祝いにやっとまともな楽器を買ってもらった。
日本楽器(現ヤマハ)のGC(グランドコンサート)15Mという楽器である。
15は15万円の15で、Mは松のM(一方 杉はS)、
という分かりやすいネーミングである。
父方の親戚にクラシック畑の音楽屋が多かった関係上、
楽器に関しては金を出し惜しみしない家系であったことと、
高校時代を通して一日2−3時間は、
必ず物に憑かれたようにギターを弾きまくる息子と、
それなりの上達振りを見て、
自身は移り気な性格から楽器習得にはいたらなかったものの、
生育環境から演奏に関する批評力のみは身に付けていた父親が、
これなら多少高い楽器でも大丈夫と考えたこと、
からすんなりと金を出してくれ、大いに感謝した。
GCシリーズは確か50万か70万まであったと思うが、
国産のギターとしては15万円といえども高級楽器である。
この楽器の弦長は66cmだったので少しごつい感じがしたが、
指は長いほうなのでさして演奏に支障もなく、
その後15年近く愛奏し続けた。
この楽器は大阪心斎橋のヤマハで購入したのだが、
1980年頃のことで、
今よりもクラシックギター人口は多かったのだと思うが、
売り場には高級手工ギター専用のコーナーがあり、
アドバイザーのお兄さんがいた。
このアドバイザーはコンクールの入賞者か何かで、
プロを目指しているような人だったが、
目の前でバッハのリュート組曲四番のプレリュードを全部弾いてもらった。
若かりし頃へのリンク 社内報に載ったときの写真あり