My guitar stories
大谷卓也
音の拘り−U
自分がなぜホセ・ラミレスから、
ホセ・オリベに楽器を変えようかと思ったのか・・・・・
一言ではもちろん言えることではありませんが、
その経緯をかいつまんでながら書いてみたいと思います。
1年前に、ギターへの道のりの最初の一歩を記した、
諫早先生の発表会の打上で、
先生が持つ「ホセ・オリベ」を弾かせて頂き、
その出てきた音にいきなり感動!、
次の瞬間!(この楽器欲しいな!)
と、思ってしまったのが始まりです。
こういう時のひらめきというのは決して言葉に出して説明できることではなく、
出てきた音への無意識の感動が、
自分に言葉というより感覚的な雰囲気で語りかけたようなものでしょうか・・・・。
諫早先生の目を気にしながらしばし弾いてしまいました。
(この楽器欲しいな!)は、
楽器を返す時には確固たる決断に変わっていました。
自分が今所有している「ホセ・ラミレス」の音は、
4,5弦があまり響かない感じがしていて(籠もってしまう感じ)、
曲によっては、自分が思い描いている世界からは、
若干はなれたような感じで、
思ったような表現が出来ない印象が、
演奏するたびに後に残りました。
ようするに、いつも演奏後に(少し物足りない)という、
ちょっと欠けた印象が残ったのです。
演奏自体が(よし!)と思って最後の和音を弾き終わっても、
なんとなく最後に充足感というものが中途半端な状態で残りました。
弦を違うメーカーにしても変わらず。
少し悩んだ状態が続きました、
そこに「ホセ・オリベ」の存在を知り1年間悩み、
もちろんラミレスへの未練も捨てがたいものがあるのも事実ですし、
買うためにともなうお金のことも気にかかります。
しかし、不満を抱えてままの状態で演奏を続けていても、
次第に演奏結果も落ちてくることに気がついて、
ついに「ホセ・ラミレス」のローンが終わるタイミングで、
買い替えを決意!。