My guitar stories
大谷卓也
音の拘り−1
野村ギター教室に通い始めて、
今までずっと使い続けてきたギター・・・・。
いくつものコンサートも共にこなしてきたギター・・・・。
ソレだけ良い音がする。
ソレだけ気に入っていたギター「ホセ・ラミレス」を・・・・、
買い替える事にしました。
買い換えるギターは「ホセ・オリベ」。
これはなかなかの決断でした。
ホセ・ラミレスは、クラシックギターの世界では、
知らぬものがいないほどの名器です。
その乾いていて明るく、艶があって、音量もとても満足できる楽器です。
音にはスペインの薫り高いものがあります。
ホセ・オリベは、もともとは航空技術者で、
23歳の時にクラシックギターに出会い、
父親の故郷であるスペインに、
何回も足を運んでクラシックギターの製作を研究して、
40歳で工房を開きギター製作を本格的に始めました。
彼自身は名前とは関係なくアメリカ生まれなんですね・・・・。
彼のギターもその精緻なつくりと共に世界的な名器になっていきました。
今回買い換えようと決心はしてみたものの、
実は、「ホセ・オリベ」と「ホセ・ラミレス」の音の違いはあまりなく、
どちらかと言うと「ホセ・ラミレス」方が甘い音が出る感じがします。
これは自分の好みに非常にマッチしています。
単純に甘さだけということではありませんが、
自分がこの曲のここをこうしたいと思うところで答えてくれる音です。
ホセ・オリベは、それにプラスされて全体的に調波、
よりボリューム感が優れている。
まあ、自分が弾いた感覚なんですが!
それとラミレスがワッと広がる音に対して、
オリベはもう少し音が引き締まっており、
もう少し遠くに行ってから広がる感じがします。
しかし、自分の好みに合ったホセ・ラミレスを、
なぜホセ・オリベに買い換えようと思ったのか、
ここのところは実に微妙で、
言葉にして語るのは、かなり難しいです。
先生の書いてみたらという簡単な一言では、
実際は、なかなか書くのは難しいわけです、
まあ、秋の夜長そぞろ書き綴ってみようと思っていますが・・・・。