マダムI・T
=思い出(その十一)=
第一回目のレッスンを終わり、
次の週も満員電車にギターと共に突撃して、
会社の帰りにギター講座に通いました。
会社の一ヶ月はとにかく会社も終ればそのままレッスンに通った、
終業時間も早かったので何ということもなかった。
一ヶ月くらい経っただろうか生徒の一人が、
みんなでハイキングに行こうと言い出した、
こういう集まりにはたいがい一人くらい仕切るのが好きな人がいるものだ、
それはいつの時代も変わりがない。
行った場所がはっきり思い出せない、
高尾山だったような気もするし、
陣馬山だったような・・・・・・、
もうひとつ記憶がハッキリしない。
お弁当を用意して最寄の駅に集まって行ったというのは覚えている。
皆20歳くらいから25歳くらいまでの人たちだから、
まあ、元気ですね、
わいわい楽しくおしゃべりをしたと思います。
お昼になって皆お弁当を広げました、
すると、なんと!
鈴木先生はお弁当を持って来ていませんでした・・・・・・。
先生も若いしこのころは独身だったはずですから、
お弁当も作らなかったんでしょう、
昭和30年前後のことですから、
コンビニがある時代じゃないですからね。
一人ひとり渡り歩いて、お弁当を少しづつもらってはパクパク食べていました。
おおらかでほがらかという気軽な先生でした。
大雑把というと怒られそうですが・・・・・・。
講座に通ってるころの楽しい思い出のひとつですね。
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