初めての発表会出演の記



                        
                         2012年 7月 「糀ホールにて」



  「人前で演奏するって何年ぶりだろうか?」

両手の指を使っても足りない位の年月が経ってしまっている。

「子どもの頃は、人前で演奏しても全く緊張なんてしなかったのに・・・。

年をとったせいだろうか?それとも練習量が足りなかったのだろうか??

もっと自信がもてるように沢山練習しておけばよかった・・・。」



 舞台裏で出番待ちをしながら、

ステージで演奏中の方の曲を聴いていると、

緊張感が伝わり、自分の事のようにドキドキしてくる。

「数分後には自分があのステージに立っているんだ。」って思うと、

頭が真っ白になり、手に汗をかいている自分に気づく。

「今更反省しても後の祭りじゃないか!

ジタバタしても仕方ない、腹をくくれ!」と、

もう一人の自分が渇を入れる。


いざ本番。

「弾き終われば、後は楽しく他の方達の演奏を聴くことが出来る。

そして、打ち上げが待っている!

とにかく冷静になって最後まで弾き終えなければ。」

そんな事を考えながら、ステージに上がり、お辞儀をし、椅子に座る。

待っている時間はすごく長く感じたが、本番はあっという間に終わった。

曲が終わりお辞儀をすると、客席の方達が温かく拍手をしてくださる。

緊張しすぎたせいか、実際のところ、あんまり記憶に残っていないが、

多分、練習した強弱やテンポの事なんて、

すっかり忘れてしまっていた様に思う。


しかし、客席に戻り、他の方の演奏を聴きながら、

晴れやかな気分で一杯だった。


 無事に終え、ホッとしたのと、

社会人になって十数年間、

ずっとやりたかった事が、今やっと出来ているからだ。

練習をし、耳の肥えた人達の前で弾き、

また他の方の演奏を聴いて沢山の事を得る。

同じ趣味を持つ人達と知り合い、会話をするのが何よりも楽しい。

私のモットー、

「何歳になっても向上心を忘れず、やりたい事に挑戦する。」

教室に通い始めて約1年、初めての発表会。

終わってみれば、日常ではなかなか味わえない緊張感を感じ、

良い経験が出来たと思う。

今回の発表会で得た事を、次に繋げていきたい。




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