バスギター随想録
=強弱の表現の難しさ=
小泉正数
曲というものは、音をだんだん大きくしたり小さくしたり、
あるいは急に大きくしたり小さくしたりすることによって、
メリハリのあるものになります。
低音のパートの場合こうした音の強弱をつける技術は、
音の数があまり多くないゆえにそれほど難しくないのではないかと、はじめ自分は思っていたのですが、
実際にバスギターで曲を弾いてみると、そうではありませんでした。
音の数が少ない部分にクレッシェンドやディクレッシェンドをつけることは、
意外なほど神経を使う難しい技術であることが分かりました。
では、どのように難しいのか文章で具体的に述べることはかなり困難なのですが、
音の数が少ない部分にクレッシェンドやディクレッシェンドをつける場合、
これらの数少ない音に音量の強弱をうまく配分する作業が難しい、
といえばいいのでしょうか・・・・・。
たとえば、三つの音で構成されている部分にクレッシェンドをつける場合、
始めの二つの音の強弱の配分がうまくいかなければ、
その部分のクレッシェンドは失敗に終わってしまいます。
音の数が少なくなるにつれて一音一音にこめられる注意力は増し、
それゆえに少ない音の数で構成される部分に音量の起伏をつける技術は、
ナーバスなものにならざるおえなくなり、失敗を自分の中に誘導してしまいます。
とにかく相対的にギターで音量の起伏をつけるのは難しく、
バスパートにおいてそれは特に際立ったものになると思います。
7月17日の野村ギター教室発表会でアンサンブルヴェルデが演奏した、
バッハ作曲の管弦楽組曲第二番の中のサラバンデは、
音量のコントロールが大きなポイントになっている曲です。
多い音の数と少ない音の数で構成されるクレッシェンドとディクレッシェンドが曲中に混在するため、
練習のたびにかなりの困難を感じていました。
それにもかかわらず、発表会前日の練習ではまずまずの水準で仕上がった為、
当日も何とか弾けるかなと思っていたのですが、
結局、本番の緊張感の中では上手くいきませんでした。
きたる10月17日に開かれる、日本ギター合奏フェスティバルでもこの曲を演奏するので、
何とかもう少し結果が出せるように思って練習をしている今日この頃です。
しかし、今年の夏は暑いので、体調には例年以上に気をつけなければいけないと思っています。
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