神奈川新人ギタリスト
オーディション参加記
=第八回=
〜本選会を聴いて〜
本選会らしく全体にハイレベルな演奏でした。
リズム感もよく早いスケールもミスなく弾きこなして、
流れにのった演奏。
確かにすばらしく上手な演奏でした。
しかし、なにか物足りなさを感じました。
それは表現力です。
その演奏から感動が伝わってこないのです。
たとえば課題曲「フリア・フロリダ」
この曲は、ゆったりとしたテンポで十分に歌わせて弾く曲ですが
すごい速さで弾き飛ばして弾いてる人がいました。
この速さでミスタッチがないがないのはすごいのですが、
ただ早く弾いてるばかりで、
曲の表情も何もなくなってしまった演奏でした。
その後、あるギター雑誌での中で、
このオーディションの本選の感想を、
一人の審査員の先生が書かれていましたが、
ほとんどの奏者に共通していた感想は、
音色の工夫や表現力がいま一つで、
こちらが改善されれば聴衆を魅了する演奏になったであろう、
ということでした。
審査員の先生方もやはり表現力については、
同様に物足りなく感じていたことがうかがえました。
本選会を聴いてみて、
なぜ感動の伝わらない演奏なのか・・・?
技術面では素晴らしくうまい演奏にもかかわらず、
音楽にあまり表情がなのは何故なのか・・・?
という疑問がわいてきた本選会でした。
そして数か月後、
あるプロの演奏家の書いた書物と出会い、
何故・・・?
と、思っていた疑問が解けることになったのです。
それはコンクールについて書いてある一説です。=つづく=
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