神奈川新人ギタリスト
オーディション参加記
=第四回=
ついに順番が来て名前が呼ばれました。
練習していた楽屋と舞台の入り口の扉までは、
斜め向かいでした。
演奏を終えて出てきた人と入れ替わりで中へ入ります。
入ると二つ前の人の演奏が始まるところでした。
課題曲は全員同じ曲を演奏しますが、
奏者によってテンポのの速さや、
強弱のつけ方など弾き方も様々で聴き比べるのも面白いです。
そして前の人の番です。
この人は実は以前からの知り合いの人でした。
このオーディションに出ると知った時はビックリしました。
さらに順番が前後で隣になってしまったこともびっくりで、
これは不思議な縁だと思いました。
ギター歴は彼のほうがずっと長くて大ベテランです。
このような人を相手に同じ舞台で挑戦したことは、
一つの大きな試練でした。
久しぶりに彼の演奏を聴いてみたいとは思っていましたが、
このタイミングで、
つまり自分の出番の直前に聴くことになろうとは、
思いもしませんでした。
実際は客席でゆっくりじっくり聴きたかったのですが・・・。
しかし、もう少し自分の順番があとなら、
まだ楽屋の中にいて聴くことはできませんでした。
それを考えると想定外のタイミングでしたが、
これでも聴きたいという願いはかなったわけで、
良かったと思うことにします・・・。
そしていよいよ出番です。
司会の人が名前と曲名を紹介しました」、。
初めてのオーディションで順番が早いのに加えて、
上手な人の後に弾かなければならないのは二重のプレッシャーでした。
しかし、それ以上の最大のプレッシャーがありました。
それは、発表会の時のように、
事前に舞台でリハーサルをすることが出来ずに、
いきなり本番で弾かなければならなかったことです。
初めての会場で自分の弾いてる音がどのように響いて、
どのように聴こえるのか、
全く予測することができずに不安でした。
客席では審査員の先生方、
そして公開オーディションなので一般の人も聴いています。
審査員は全部で16名でした。
神奈川ギター協会に所属していて、
普段は演奏活動や指導をされてるプロの方々です。
課題曲、次に自由曲の順に弾きます。
曲を忘れてどうしようという不安や緊張でドキドキの連続でした。
先に書いた音の響きのことも舞台に出たらとても考える暇などなく、
ただ最後まで無事に弾ければよいと思って弾くのが精一杯でした。
審査員の方たちがどの辺に座っているのかも、
見る余裕などありませんでした。
=次回につづく=
戻る
topへ