ギター室内楽初体験記


                    


                             =第一回=





 2011年 5月、今年も教室主催の室内楽コンサートが行われました。

このコンサートはもう10年以上も続いているという伝統ある行事ですが、

幸運にも今回初めて参加させていただくことになりました。


 一般に室内楽とは、弦楽四重奏、ピアノ三重奏などのように、

二重奏以上の小編成の合奏のことをいいます。

今回のコンサートはギター教室主催ということもあり、

すべての曲に必ずギターのパートが入ってるのが特徴と言えるでしょう。

今回のコンサートのプログラムをあげると、

ギターとフルート、ギターとヴァイオリン、ギターとヴィオラ、

ギター、ヴィオラ、フルートの三重奏といったところです。

一般のコンサートではギターの替わりに、

ピアノが入って演奏される機会のほうが多いような感じがします。

楽器編成にギターが入ること自体割合としては少ないのです。

そういう意味ではギターが活躍するこのようなコンサートは、

貴重と言えるかもしれません。


 練習は今年の一月ころから始めました。

わたしが演奏した曲は全部で三曲です。

マルチェロという、

バッハと同時代の作曲家の「フルートとギターのためのソナタ」

ボッケリーニの名曲「メヌエット」、モリトールの「トリオOp6」です。

 もらった楽譜を見て驚きました。

量が多いのです。

モリトールの曲などは、15ページもある大曲です。

マルチェロの曲も長い曲ですが、

バロックの曲らしく、下のギターパートも伴奏形でなく、

メロディーになってる感じの曲です。

これは独奏曲を一曲仕上げるくらいの難しさだと思いました。

そしてバロックの曲らしく弾いていると、

次に来る音が予測できません。

(決まったコード進行でなく、

この時代はある程度自由だったということです)


 またコロコロと調が変わる転調が多くて、

和音の音が予想外のところへ飛んでいくのが、

読譜の段階で大変でした。


 室内楽は初めてなのに最初から大量の曲を前にして、

できるのか不安になりましたが迷っている暇もなく、

もうやるしかないと思いました。


 一ヶ月が過ぎて少しづつ練習が進んでいきました。

そこへ3月11日の東日本大震災が起こりました。

この日はもちろん練習どころではありませんでしたし、

その後の計画停電で練習時間に電気が消えて真っ暗になり、

懐中電灯の光の中で練習をする日もありました。

実は、この震災の後に今年のコンサートが予定通りに出来るのか?

という問題が発生しました。

練習日に計画停電となった場合、

予定通り練習が出来なくなる・・・。

最悪の場合コンサート当日、

会場が停電になれば開催できなくなるかもしれない、

という問題が発生しました。

しかし、4月に入って計画停電はしないということになり、

予定通り開催できる可能性が濃くなってきました。

これで一安心です・・・。   >つづく<






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