=発表会回顧録(十六)=

 
 コンクリートの打ちっぱなしという空間に、

けっこう戸惑ったことを覚えている。

見たことのない空間というのがあって、

クラシックギターの発表会としてどうなんだという気分になった。

コンクリートの打ちっぱなしで表面がほんとコンクリート色・・・。

クラシックギターの音色になじむもんなのか、

あんまり違和感があると、

参加する生徒の皆さんはどういう気分になるんだろう・・・。

いろんなことが頭の中を駆け回っていた気がする。

まあ、一年後ということを考えてそれまでに内容を考えるかと、

なんだかほかのことの忙しさもあってしばらく忘れていた。

コンサートの予定もかなり詰まっていて、

まあ、一年後のことまでは気にしていられない状況だった。

このころはクラシックギターの演奏需要というのも結構あって、

毎月のように演奏していたと思う。

 はてさてこのスペースで、

どうしていこうかと本気で考え始めたころ、

生徒の方と会話している時に、

「今コンクリートの打ちっぱなし、

というのが流行ってきてるんじゃないですか」

「え!!、そうなの・・・」結構意外な感じがした。

「ライブなんかではけっこうありますよね」という話に、

(そういうもんなのか・・・)

自分の感覚が、今時に合ってないかもしれないと思った。

会場の主催者の方に話を聞いても、

ヴァイオリンなどのミニコンサートに使われてるという話だ。

そんな話を聞いてるうちに、

なんだか元気が出てきたのを覚えている。

会場を再び訪ねて中に入って、

コンクリートの壁を見回しながら、

いろいろな状況に想いを巡らしてみた。

考えてみたら、

あざみ野ホールの白い壁を灰色に変えたということか・・・。

15分くらい会場の中で思いを巡らして、

(とにかくほかに選択肢がない以上、やってみるか)

という思いを強く持って会場を後にして、

帰る道中もいろいろなパターンを考えていた。


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